「タイルの外壁はメンテナンスフリー」と思われがちです。
しかし外壁タイルは、条件がそろうと落下する可能性のある建材です。
RC造(鉄筋コンクリート造)の建物では、仕上げ材として外壁タイルがよく使われています。
見た目には丈夫そうですが、もし剥がれて落下すれば、通行人にけがを負わせたり、駐車中の車に当たったりする事故につながります。
そうなれば、建物を管理するマンションの管理組合や施設の管理者の責任が問われることになります。
今回は、タイルが剥落する理由、見つけ方、対処の考え方を概論としてお話しします。
具体的な下地調整の方法は、今後シリーズでご紹介していきます。
■なぜタイルは剥がれるのか
原因は、建物を構成する材料ごとの伸び縮みの違いにあります。
RCの躯体、タイルを貼り付けるモルタル、そしてタイル。
この3つは、気温の高低によって膨張したり収縮したりしますが、その程度が材料ごとに異なります。この差が少しずつ歪みを生み、やがてタイルが浮いて、剥がれ落ちます。

※タイル剝落のメカニズム
■剥落のサインと見つけ方
〇基本は打診調査
タイルの浮きは、基本的に打診調査で分かります。
打診棒でタイルを叩いて、音の違いで浮きを見つける方法です。
浮きは気温変化の繰り返しで少しずつ広がり、最終的には壁面が膨らんできます。
そのまま放置すると、落下に至ります。
〇赤外線調査という選択肢
近年は技術が進み、赤外線による調査も可能になりました。足場を組む必要がないため、費用を抑えられるのが利点です。
ただし、調査したい壁面の手前に建物などの障害物があると調査できず、対応できる範囲には限りがあります。確実性という点では、打診調査が基本です。
〇「孕み(はらみ)」が出たら急いで対処を
壁面のタイルが膨らむ現象を「孕み」と呼びます。
孕みが出ているときは、すでにタイルが落下する寸前の状態です。
見つけたら、早急な対処が必要です。

■剥落を防ぐには
〇定期点検を活かす
建築基準法の12条点検では、10年に1回、外壁の定期点検を行うことが義務づけられています(道路に面した場所や、人が通行する場所が対象です)。
点検で不具合が見つかった場合は、早めに手直しすることが予防になります。
ただ、タイルは「どこが浮くか」を事前に予測することが難しい建材です。
足場を組んで打診する調査は費用がかさむため、何度も繰り返すわけにもいきません。
また、外観の歪みを見て「これは異常だ」と判断するのは、専門家でないと難しいのが実情です。気づいたときには落下している、ということも起こり得ます。だからこそ、予防も含めた根本的な対策が求められます。
■見つけたときの対処法
1.打診調査:浮きの範囲と状態を把握します。
2.応急措置:落下の恐れがある場合は、カラーコーンなどで養生し、立入禁止にします。
3.補修:至急の場合は、落ちそうなタイルをあらかじめ撤去(剥がして落とす)しておくのが安全です。
その後の補修方法には、タイルの張替えやアンカーピン工法などがあります。
ただし、これらはタイルを物理的に固定する部分的な補修です。
補修した箇所以外のタイルについて、落ちないことを保証するものではありません。
予防も含めて全体を対策するなら、ピン、ネット、樹脂塗膜を組み合わせてタイル面全体を押さえる「複合外壁改修工法」があります。
強靭な膜でタイルを落とさない、確実性の高い工法ですが、費用が高額になりやすいのが課題です。
そこで、アケボノがご提案しているのがKFタイルホールド工法です。
透明な塗料を外壁面に塗って強靭な膜をつくり、タイルを落とさないようにする工法です。
下地の補修はもちろん行いますが、従来の外壁改修工法ほど多くの補修を必要とせず、費用も抑えやすいのが特長です。
複合外壁改修工法の弱点を補う工法として位置づけています。
詳しくは、次回以降のコラムで紹介予定です。
■業者選びのポイント
タイルの剥落防止は、「タイルを落とさない」という機能をお渡しする工事です。
そのため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
アケボノは、KFタイルホールド工法の正会員です。
この工法を熟知した作業員が施工し、施工後は10年間の剥落防止保証もお付けしています。

■まとめ
- 外壁タイルは、材料ごとの伸び縮みの違いで浮き、剥落することがある
- 点検の基本は打診調査。赤外線調査は、足場不要で費用を抑えやすいが、調べられる範囲に限りがある
- 壁面の膨らみ(孕み)は、落下寸前のサイン。見つけたらすぐ対処する
- 補修は部分補修と全面対策があり、費用と確実性のバランスで選ぶ
「うちの外壁タイルは大丈夫だろうか」と気になる方は、お気軽にご相談ください。